●デジタルトーンについてどう思われますか?
アナログトーンとの比較はスクリーントーン自体を使った事が無いので
比較できないのですが・・・・すげー便利だと思います。
ネームからペン入れまでは全部アナログですが
そっから先の仕上げは総てPC上で行なっていますし。
ただ、正確に言いえば自分が使ってるのはデジタルトーンじゃないかもしれないです。
というのも、自分の原稿はphotothopにてグレースケールで仕上げたのを一括して
ハーフトーン変換しているだけだからです。(主線、フォントを二値化しておけば問題無い)
お手軽ではあるんですがすべて同じ線数同じ形のドットのトーンになるので
ちょっと単調かなと思ってます。本来の意味であるデジタルトーンも
画面に抑揚をつけるためには導入したいですが・・・
photoshopでそれやろうとすると素材集めからしないといけないのがちょっとめんどいです。
他のソフト、特にコミスタはそこらへんの機能が充実してるんですが
(コミスタの機能で集中線が何の苦労も無く引けた時はビックリした!!!)
インターフェース的にphotshop以外使いたくないので・・・・
自分でもそこらへんの壁は乗り越えろよとか思うんですが。
無料トライアルも過ぎちゃったしwまぁ、いずれはって感じです。
もう一つの解決策としては、丸ペンでの仕上げ部分を増やして
トーンはあくまで最後の添え役にするという方法も考えています。
広義で言えばすげー便利、狭義で言えばもっと充実させたいって所でしょうかね。
●Gペンと丸ペンどっちが好きですか?またスクールペンについて一言お願いします。
Gペン、丸ペンどちらも使いますが、どちらが好きかと言えば断然Gペンです。
小さい頃書道やってたのが関係しているかどうかわかんないんですけど
白地に黒って色の組み合わせと、抑揚のある線ってのが大好きで。
白い紙に黒い線がビシ!って入るのがもうなんていうか説明できないぐらい気持ちいいんですよ。
世が世なら、書道家を目指してたかもしれません。ってぐらい。
イラストも安彦良和、月岡芳年、山口晃、山本タカトとかの線で語るタイプの絵が大好きです。
漫画描く前描いていたイラストでもそういう活きのいい線で描きたくって
鉛筆、ミリペン、筆ペン、削用筆とかでなんとかそれを再現できないか
四苦八苦してたんですがどうにもうまくいかなくって。
漫画描き始めても、最初数作は(よつどもえの前半部)
鉛筆で主線引いてたんですが、どうにも時間かかるし、線が綺麗にならない・・・
んー、とりえあえず漫画だしGペン使ってみるかと使ってみたら・・・・
アラ不思議描きたかった線がビシバシ描けるようになってわーいバンザーイ
こんな事ならはやくからGペン使っておけばよかったって感じです。
丸ペンに関してはですね・・・一時期全部、Gペンでかけないかと
先の状態が違うGペンを何本か用意して、主線はつかいこんだ、先がやわらかいペン先
細部は新品の、キンキンに尖ったペン先で書いて見たりもしましたが
そんなに細い線がひきたいなら、丸ペンでいいじゃんって。
そんで、今描いている原稿ではまた丸ペンによる細部の書き込みが復活してます。
やっぱGペンでは引けない細さの線が画面にメリハリを与えてくれますね。
この丸ペンの書き込みってPCモニタで見るとはあまり見栄えしませんが
実際に製本した時に生きくる部分でもあります。
スクールペンは・・・カブラペンの事かと思ったら違うんですね。使ったことないです。
ちなみにインクは耐水性の証券用です。
製図用だとちょっと触っただけでグシャ~ってなるのが・・・・
インクの黒さ自体は製図用のほうが濃くてハッキリ出るので
丸ペンの書き込みとかには向いてるんですけどね。
証券用は製図用に比べ若干色が薄くスキャン時に
細い線が飛んだりするのでフタを開けっ放しにして濃度を挙げて使用してます。
●ヤスヤスさんのお空は「アルジャーノンに花束を」にインスピレーションを受けたのでしょうか?
もしそうなら、結末も・・・?
こういう質問もいいですねー。
あれはフロッピーが基点だったのか
少しでもお空にまともな記憶力をと
思って書いたのかはよく覚えてないんですが
たぶん同時に思いついたんだと思うんですけど
アルジャーノンを元に書こうとは思ってなかったはずです。
でも当時、映画そのものは見た事はなかったですけど
ゆっくり版アルジャーノンとか見てあらすじは知ってたんで
ひょっとしたらインスピレーションの元にはなってたかもしれません。
結末もどうなるんでしたっけ・・・
たしかあんまり救いがないエンドだったと思うんですけど。
覚えてないやw僕自身がアルジャーノン。
それと、お空は道具に頼りつつも
自分の力で何とかしようと努力し始めているので
その成長がどうなるかは、一緒に見守って頂けたらなと思ってます。
つまり現時点でどうなるかは僕もわかりません。
少しつづ、少しづつですが変化していくのだと思います。
蛇足になりますが、前回までは一冊の本で完結した話を作りたくて
こういうお空のフロッピーとか天子の神社とかも
なるべく出さないようにしてたんですが
最近は巻が続いていく事でしか書けない話もあるかもしれないと思って
一話完結の話の上に、こういった小さなエピソードも乗っける形にしていこうと思っています。
本筋は本筋で書いて、こういう細かな枝もちょこちょこ書いていくという。
4月の永遠亭なんかそういう構成ですね。
本筋は妹紅と輝夜とタケノコですけど
フロッピーもちょこっと書き入れるって感じで。
そんな感じでお空のフロッピーを取り巻く環境も
すこしづつ、でもゆるやかに変化していくと思います。
●絵を描いている時やお話を作っている時にする習慣などはありますか?
うーん・・・集中するためにパソコン切ったりとか。
あ、そうそうリポビタンは結構飲むかも。
これ飲料的にどういう効果あるかわかりませんし
なんか、もう習慣だと思うんですけど
学生の頃から絵を描くとき飲んでたせいか
リポビタン飲んだら絵を描きたくなるようになってるんですよね。
一種の中毒というか、パブロフっていうか。
まぁ、中身はカフェインと糖分なんで
脳が活性化してるのかもしれません。
それと、一本飲む事で「さっ、はじめるか」っていう
儀式的な感じかもしれません。
以前は一日5杯ぐらいコーヒー飲んでたんですが
最近はなんか受け付けなくなって、茶飲んでます
あと、作業段階にあわせて
ネーム(全体構成)・・無音
絵コンテ・・・音楽もしくは無音
下書き・・・ラジオとか音楽
ペン入れ・・・音楽とか映画でもながしつつ
PC作業・・・映画でも流しつつ
って感じで作業にあわせて流すものかえるって感じですかねぇ。
絵コンテんとき映画、とくにアニメ流すとその絵に影響されるんでマズいし
ペン入れのとき無音だと集中しすぎて
些細なミスが気になって頭がキィー!ってなるので
映画やアニメを流しつつ適度に意識を散らしながらって感じで。
うまくいいコンディションになるようにしてます。
●普段はどのようなゲームをプレイしていますか?
また、個人的に思い入れのある作品などがあれば教えてください
ちょっと最近本当にゲームする余裕と体力がなくって
遊ぶとしても15分ぐらいで終わる格ゲーぐらいです。
PS3、DS、PSPと買ったときだいぶんソフトも買ったんですが
ひとつもクリアできてない状態。
ひどいのになると封すら開けてない。
とりあえず持っとくだけで満足っていう。
なんていうかゲーマー、プレイヤーとしてはもう終わってるのかもしれないです。
遊んでるのを見せてもらう方が楽しいって感じもしますし。
誰か原稿やってる横でゲームやってくれないかなとか思っちゃいます。
思い入れある作品は・・・うーん
格闘ゲームやRPGで印象に残ってるゲームは沢山あるんですが・・・
5鍵時代のビートマニアを挙げておきましょうか。
これ未だにサントラを聴くと当時の光景を鮮明に思い出すんですよね。
当時の友人とか当時の学校、当時の状況。
ゲーセンのゲームだった事もあって、ゲーム内の画面や音だけでなく
周りの光景がセットで焼きついてる。
その時期にしか遊んでなかったってのも大きいかもしれないです。
あの時だけ遊んでいたゲームだからあの時を思い出せるというか。
そんな、ちょっと昔の思い出と一体化してるゲームです。
●ヤスヤスさんの作品のキャラは独特の解釈に基づいた、
粋な格好良さを感じるのですが、ヤスヤスさんはキャラクターの格好良さを出すにあたって
どのような点に気をつけてらっしゃいますか?
ちょっとここらへんは自分でも気をつけてるというか
ひょっとしたら自分の漫画の核かもしれないので
こうやって話す機会を頂いたというのはとても嬉しいです。
ただ、この話題に関しては酒飲みながら話して3時間はかかる話なんで
質問された方と居酒屋にでも行ってお話したいんですけど・・・
簡潔言ってしまえば「肯定的に描く」って事でしょうか。
天子とか一番わかりやすい例だと思うんですけど
原作の、天界のボンクラって設定は変更してないんです。
性格にしても唯我独尊傍若無人かまってちゃんで本当に酷い。
でも、そこらへんの設定を変に後ろ向きに捉えたりしないで
「あたしはこれでいいんだ!」って胸張りだすと
こいつはこいつの人生を生きてるって感じになって動き出してくるんですよね。
クヨクヨしないっていうか、いちいち悩まないっていうか。
欠点を自覚してなお悪びれないタフさというか。
やっぱそういう時に、最初は設定で動かしてたキャラが
自分の意思を持って動き出すのかなぁ~とか考えてます。
でも頂いた質問に対する答えは自分でもわかりません。
まだまだ書きながら模索している部分が多すぎます。
でもとりあえず、肯定的に捉えるって事だけは気をつけている事かもしれません。
それが登場するキャラクターの「それぞれの自信」みたいなものに繋がってるのかもしれません。
*これ読み直すと、自分の言葉で伝えたい事はちゃんとあるのに
荒木先生の言葉をなぞる様に引用してるのがちょっともどかしいですね
http://www.youtube.com/watch?v=gE1IX3OEMZo
でもこれは物語を作るうえで一番影響を受けた考え方だと思います。
●フランドール・シャーベットの紫がスキマから出てくるシーンが
頭がくらくらしそうに素敵でしばらくページをめくる手をとめて眺めてしまったのですが、
何故あのシーンに1ページまるまる使おうと思われたのですか?
幻想郷の頂点、八雲紫としてきちんと描いておきたかったからです。
読み終わられているので先の展開まで含めてお話すると・・・
後の香霖堂で鼻血だしてちょっとお間抜けっぽい事になるので
その前フリとして、とにかく荘厳に!かっこよく!
それを描いておかないと、ただの鼻血お姉さんになってしまうので
まずはボスらしい感じで演出して登場してもらいました。
こういった、作品内容に対する具体的な質問も面白いですね。
他にもありましたら、遠慮なくどうぞ。お待ちしています。
●東方にはいろんな四季をつかさどるキャラクターがいますが(YsY)さんの好きな季節は?
うーん、あれ?
夏を司るキャラなんて居ましたっけ
昔は冬が好きだったんですけど最近は夏が好きです。
うっとおしいぐらいの茂る緑と空の蒼さと雲のコントラストが好きです。
でも汗だくになるのはちょっと嫌です。
田舎の冬は草木が枯れて茶色いだけの風景になって
なんか気が滅入るんですよね・・・都会の冬はなんか好きなんですけど。
理想は5月の昼下がりにちょっと風がふてい
カーテンがふわっとなってる部屋でお絵かきするのと
秋の夜長に虫の音を聞きながらお絵かきするのが好きです。
なんか今年はもう涼しくなって、外で虫が鳴いてて秋ですねぇ・・・
*補足
9月時点での回答ですね。
●YsYsさんが出されている同人誌やPIXIVに掲載している漫画以外で
描きたい絵やキャラなどは居ますか?
同人誌やpixiv以外ですか?
舞台を変えるって事ですか?
それともゲスト的な意味?
自分が出す本筋の場所以外・・・番外編的な漫画
ゲスト原稿で登場させたいキャラという意味での質問でしたら
なんでも頂ければと思ってます。
もちろん初対面のキャラだと
掘り下げるのが大変なので
一度登場してるけど最近あんまり
出番が無いなぁってキャラのリク頂けると
こちらとしても描く機会が頂けて
相互ハッピーかもしれません。
ふと、浮かんだの美鈴と咲夜さんですかねぇ。
この二人すげーかっこいいコンビだと思ってるんですよ。
なんらかの問題に対して二人で立ち向かってくんですけど
終始、冷静な咲夜がリードしながらも終盤ミスって大ピンチなるけど
最後の最後だけはビシッっと決める美鈴とか・・・かっっこいい!
そんな短編描きたい!
*補足
この質問がきっかけで短編集GREENの第三話
咲夜さんと美鈴が主役の「地下倉庫の空中戦」を書く事になります。
●ペンネームの由来はなんですか?
(YsY)sと書いてヤスヤスと読むこの名前の事ですね。
ちゃんと文字媒体で説明するのは
これがはじめてかもしれませんね。
昔々、仲間内で名前を顔文字にするのが流行ってたんですよ
h('g'*)nとかn(*'a'*)eとか
それにならって、じゃ僕もって感じで
名前の一部の子音を切り出して
(YsY)sって作ったんですけど
いまいちかわいくないw
そんでそれはそれで作ったきり
別に使う事もなく忘れてたんですが
ある日pixivを紹介されて
んーHN考えなきゃなぁ、あ、あの顔文字をHNにしよう。
どうせWeb媒体のみで使われる名前だから
読み方なんてどうでもいいや。
顔文字的だから目立たない事もないだろう。
ロゴっぽくもあるし、これ使おう。と。
その時はオフで人に会うとか全然考えてなかっし
ましてやweb内でしか使わない名前と思ってたので
発音できない名前でも別によかろうとか思ってました。
それで、後でイベント等に参加した時
自己紹介がむちゃくちゃ面倒な事になるわけです。
口頭で名前を言うより
名刺でロゴ見せた方が分かってもらいやすいです。
完全後付になるヤスヤスって読み方を
決めてくれたのはCAT君です。
彼に名前なんて読むんですかって聞かれて
じゃ、仮でいいならヤスヤスって事にしましょうか
って感じ決めたように記憶してます。
作った当初は、読み方なんてどうでもよくて
ロゴというか記号として(YsY)と認識されればそれでよかったんです。